たあたん0002さんの記事
2011/12/28

知的障害、発達障害をもつ児童生徒の体の使い方について

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次郎の学校で、保健委員会があった。さらに、勉強会もあった。

講師は小児整形の医師で、障害者手帳の意見書指定医。(療育手帳や精神手帳とは違い、身体手帳は指定医の資格のある医師が意見書に記入、サインすることになっている)
次郎が装具診でいつもお世話になっている先生だ。が……これは次郎が身体世界の住人だからで、知的部門の保護者にはなじみがうすかったりする。

なぜ?



まぁ、先生の話もそのあたりからはじまる。
注と書いた部分はアタシの主観。

はじまりはじまり







身体部門のお子さんの場合、外見上、見て、すぐわかる体の不具合なので、自然と対応されることがほとんどなのだが、知的部門のお子さんの場合、「動けているからいいや」「歩けるんだしいいや」と、体に何の問題もないであろうとすまされてしまう。

ところが。
知的障害や発達障害の半数以上は体に何らかの問題をもっているのである。
30代40代で歩けなくなってしまう知的障害者が多いのは、幼少期に「歩けるんだから」ですまされてきた結果なのである。



知的障害、発達障害のほとんどが扁平足である。
これは、体重をかけたときの足の裏の状態、あるいは、立っている状態を前からではなく、後から観察して判断する。
あるいは、靴底の減り方なども参考にする。

一番最初の画像に書いた図のように、脚の筋は、アキレス腱を通るように真っ直ぐ足の裏に繋がっているのだが、扁平足の場合は、赤の線で示したように曲がっている。
曲がっていると・・・安定しない。



子どもの愛用靴の中敷きがとれる場合は、中敷きをとって観察をすると、いろいろなことがわかる。
中敷きには足の形が付いているからだ。
つま先にホコリがついている場合、これは、靴の余裕を意味する。1センチくらいあるのがのぞましい。
かかとにほこりがついている場合。これは、先足で歩いていることを意味する。


そして、これらは、『靴をキチンと履けているか』というところに行き着く。
これは、ただ、足が靴に入っていればいいという問題ではない。

普通の定型発達児の場合は、脚裏の筋が真っ直ぐに足の裏まで繋がっている安定性を保持できるので、さほど気にする必要はないのだが(就学前の幼児は不安定になりやすいけれど、様子見でよい範囲内。これは発達障害や知的障害の子どもにもおおむね言える。身体障害の場合は幼児期に装具を着用するなりの医療が介入する・・・・注:次郎の場合は3才の時に装具装着開始)、発達障害や知的障害の子どもの場合、アキレス腱からかかとをとおって足の裏に続く筋肉が曲がってしまっているため、かかとに体重をかけづらい傾向が強いのだ。
靴の踵の部分(カウンターという)のしっかりした靴を選び、カウンター部分がかかとをしっかり押さえるような状態で履くようにせねばならない。
このような児童生徒には、「バレーシューズ」「体育館履き」などのカウンターのあまりしっかりしてない靴はあまりいいものではない。定型発達の子どもの場合は、動きやすいという利点で済むのだが・・・

二番目の絵は足の裏の図である。黒い線で正常の足の裏の図を書いた。
青い点線が扁平足。
関節や筋肉の弱いダウン症候群はとくに、足の甲のアーチが体重に押しつぶされて扁平になり、広がってしまう。
緑の点線で示したのが鈎足(かぎあし)と呼ばれる状態。
土踏まずがいっぱいあっていいじゃない??
いや、これは、「先足特有」なのだ。つまり、つま先立ちで歩いているということだ。
本来、かかとに体重がかかるべきところを、つま先に体重がかかるため、つま先や側面など、赤い車線のところにたこができてしまう。
かかとの筋肉を使わないので、かかとが柔らかい。
足の親指や小指の靴に当たる側面に炎症を起こしやすい。

動けるからいいじゃない?と言えないのは、扁平足や鈎足のばあい、小学生の間に足の管理をしないと、台となる筋肉がそもそもしっかりしていない(何度もいうが、足のかかと部分で曲がってしまっている)ので、ものすごいX脚やO脚になり、筋肉を使わないで体を支えようとしてしまう。極端ながに股や内股は骨を曲げる。
結果、30代40代で変形性関節炎を起こし、寝たきり、あるいは車椅子生活を余儀なくされてしまうのである。いや、中学生高校生でも、知的障害、発達障害の場合、足に対する体重のかかり方が悪いため、成長が止まると同時に老化・・・変形性関節症の兆候が出てくる場合すらある。

3番目の絵の上の方に靴の絵があるが、これは一例である。
このように、側面にしわが寄り、かかと側から見て、側面が飛び出しているような形になってしまった靴の場合、鈎足、あるいは扁平足によるX脚やO脚の可能性が極めて高い。(注:講義終了後、学校の靴箱に残された高等部の生徒さんの靴を見た。冬休みのため、6割は靴を持ち帰っていた。そこにあった靴の8割は側面が飛び出し、あるいはかかとの形がゆがんだりと足の異常を如実に語った靴だった。私は、その事実を教員に伝え、体育面の指導の参考にしてもらいたいことを伝えた。教員は目から鱗のように驚いていた。)

3番目の下の絵は、足の骨を横から見た図なのだが、普通の人は青い線で示したように真っ直ぐ立つことが出来る。
ところが、知的、及び発達障害の場合、土台がしっかりしていないため、変なところに力が入って、脚をそらせるような形で直立してしまう。
そのままで歩行、あるいは走らせたりするとどうなるか。
反り返ったままの脚が地面につくと確実に転ぶ。膝が反り返っているせいである。
「何もないのによく転ぶ」というのは、ここに起因することが極めて多い。



扁平足や鈎足を「歩けるから、動けるからいいじゃないか」で放っておくと、極端なX脚やO脚となり、骨が曲がってしまう話をしたが、それは背骨にも影響をする。
腹筋が弱いために猫背になってしまう場合もあるし、側湾症の場合もある。側湾症の場合は背中の筋肉の不均等という症状もあり、医療の手を借りないと改善はできないけれど、日常生活の中、「曲がっていても補正できるような動作」「バランスをうまくとるような工夫」を取り入れることで、悪化を防ぐことができる。


たとえば、手を真っ直ぐ挙げて、耳に付けることが出来るか?
四十肩や首を寝違えた人など、真っ直ぐあげているつもりでも、鏡で見ると、手が真っ直ぐあがっていない場合もある。
手が真っ直ぐあげることができるのは、バランスがとれているということに繋がる。

椅子に座るにしても、学校で学習をする場面では、足が床に着いていて、座面が膝の裏ちょうどにくるのがのぞましい。
もともと、土台がぐらぐらしている人たちなのだから、合わない椅子にすわって学習しろというのは、ブランコに乗って学習しろというのと同じようなことなのだ。落ち着かないのはアタリマエ。
座面の長さが長すぎて背もたれが遠い場合、座布団を背中に挟む。
座面に脚の位置・・・膝が開いてしまわないように印を付ける、あるいは、床に足の位置の印をおくなどの工夫も良いだろう。(注:これはあくまでも、学習の場面であって、家庭でくつろぐ場面では、緩くしていいと思う。ご飯を食べるときだって、こんなにきっちりしてはおいしくないと思うので、ある程度集中して食べることができればいいのだと考える)

ごそごそ落ち着きのない子、多動の子どもほど、身体的に何かがあるのではないかと考えるほうがよい。
自転車で考えるとわかりやすいが、自転車を速くこぐのと、ゆっくりこぐのと、どちらがバランスがとりやすいか。速くこいだ方がバランスがとりやすい。(注:だから、小さい子どもって案外、自転車をすっ飛ばしてこぐんだよ・・・)
子どもの動きに当てはめると、「速く動かさないと体のバランスを保てない」ということなのだ。速くて小さい動きを繰り返すという場合、体のバランスがうまくとれていない。
ゆっくり体を動かすようにするというのを最終目的に設定し、最初はまず、「動作を大きくする」「体を大きく動かす」ということからはじめる。
たとえば、歩くとき、一緒に、「かかとから大げさに地面に足をつける」ようにしてみるとか、大げさに手を振ってみるとか、動きを大きく、体を大きく動かすようにする。徐々に小さく動かせるように時間をかけてアプローチしていけばいい。
そういう時間を作るか作らないかというだけでもちがう。
(注:歩くとき、気がついたときだけでも、かかと着地の歩き方をゲーム感覚のように促すだけで変わってくる。)
速さで動きをごまかしているところがあるのを看破し、正しい動きや正しい姿勢を(注:いや、そんな、すごい正式なという意味ではなく、「普通の」という意味ととってください)維持できるようにサポートすれば、今現在、30代40代50代の知的障害や発達障害の方のような・・・・・身体障害とは違って動けるから「体には何の問題もない」と判断され、バランスをとるのが下手で、体の使い方が下手な知的障害や発達障害の特性を理解してもらえなかったため、結果、扁平足や鈎足、骨の曲がりなどがでてきた・・・「動けなくなってしまう」という症状はほとんど改善されるであろう。
(注:時代の流れもあるのだと思う。今、30代~50代の知的障害、発達障害の方々が子どもの頃にはまだ研究がすすんでいなかっただろう)



最後に。
教員からの質問があった。
「保護者や児童生徒にどんな靴をすすめればよいのか、お聞かせください」

「かかとがどっしりした普通のスニーカーが一番いいです。安いものでいいのです。カウンター部分ががっちりしたものを選んでください。また、幼児や小学生などは、キャラクターものの靴が案外いいですよ。かかとがしっかりしているし、バンドでがっちり留められますし。瞬足はですねぇ・・・アレは、直線用と普通用がありまして・・・普通用は靴の裏がちょっと特殊になっていますので、知的障害や発達障害の方にはむきません。瞬足の場合はちょっと気を付けてください。」







ノート4ページに渡って必死で。。。φ(◎◎へ)フムフムとメモをした。
それをまとめてみた。
知的障害、発達障害に関わらず、参考になる部分もあるかもしれない。
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  • 4
8件のコメントがあります。
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  • ほんとにほんとにお久しぶりです(^^ゞ

    うちの次男坊も、軽くw発達障害だと・・・
    そう言われながらも、偏平足の事もいっぱい心当たりありますが
    主治医からは「歩けるね」と言われてます。

    居心地の悪い椅子。じゃなくて、バランスの悪いからだのせいでフラフラと動きっぱなしなのかもなぁ・・・と改めて次男の行動を考えてます。

    今はまだ年少さんですが、精神面だけでなく体の面でももう少し
    彼に会ったサポートをしてあげないと・・・ですね。反省です。
  • 参考になってよかったです。
    小学校のうちにしっかりみておけば、安心なようですよ。
  • お邪魔します!2年ぶりにべビタを覗き…随分様変わりしているのに戸惑いながら、
    たあたんさんの日記まで飛んで来ました(^∇^)

    うちの自閉長男、今年から小学校普通クラスに入ったのですが…。
    椅子に一定時間座るのが大変みたいで。
    幼稚園の時のダンスも何だかへっぴり腰で、
    小学校でのなわとびも必要以上の動きをしてるらしく、飛べないみたいです。
    日記読んでビックリしました。
    知的に上がって来てたので安心してて。
    身体的な問題はこの子が運動オンチなのかと思ってました…
    少し見てあげなきゃと反省しました。
    丁度今後の学校指導のため、病院通いをしてるので、
    聞いてみたいと思います(*^_^*)
    来週病院だから、日記読めてよかったです!
    また色々参考にさせて下さい!
  • PTとなると、やはり身体がらみでないと受けられないんでしょうか。
    発達障害になると、OTなのかなぁ。
    いや、でも、次郎は身体1級ですが、PTは卒業になっちゃったもんなぁ。
    幼児期はまぁ、いいんです。問題は学童期。学校の先生とうまく話し合いながら、体の使い方の問題について、改善していかねばならないです。
    まいどんさん、Pingaさん、先は長いし、OTやSTの成果なんて数年単位でないと評価できない(いや、とくにうちはレベルが低いので)けど、ともに人生を歩むつもりでいかねばなりません。
    次郎の人生は過酷かもしれない。でも、今アタシが悩むのは中2の長男のこと。次郎はたいした悩みじゃないです。
    いつも子供に振り回されてばかりです。



    リトミックが苦手なのは、まだ、指示が入りにくい年頃だからではないでしょうか。
    あと3年以内に変わるところもでてくるんじゃないかな。
    本人が見通しがもてるようになると、おたがいに楽になります。


    あ、食べこぼしですが、もうじき10才の次郎はまだ食べこぼしをします。いやぁ、だから、まだ小さいのに無理ないし、「次郎はどうなのよ?」と言いたくなるほどですよ。
    口唇あたりの麻痺も関係します。
    ただ、この1年で食べこぼし度数8(2割しか口に入らない)だったのが、食べこぼし度数4くらいになりました。
    子供によって成長時期は違います。
    あのぅ、小4ですよ、やっとです。
    学童期になると伸び率がすごいんです。
    はやけりゃなんでもいいというもんでもないんですよ。適材適所という言葉があうかどうかはともかく、パズルのこまが合うときがきます。
    アタシにはそれしか言えないけど。
  • 2011/12/30
    10月からうちの息子もOTを受けてます。
    すごーーーく参考になります!

    さっそく玄関に行って靴チェックしましたら…とりあえず大丈夫みたいです。
    赤ちゃんの頃から甲高でバレエシューズ的なのは無理だったからスニーカーばかりですけど、結果オーライだったのでしょうかね。

    ちなみにゆっくり動くのが苦手っていうのはピッタリ当てはまります。
    走るのは速い、でも動く止まるを繰り返すリトミックやダンスのようなのは大嫌いです。
  • うちも歩けるけど、つま先立ちだし、何にもないところで、よく転けます。
    手の使い方も不器用。見てないのもあるけど、よくこぼすし、だから、うちも、作業療法を受けたいと療育施設に頼みました。受けられるといいけどなぁ。
  • いやさ、次郎でさえですよ。歩けるからいいじゃんって言う世間があるんですよねぇ。めちゃめちゃ重い鉄の装具着けているのにです。
    歩けるからいいという言葉は死語になって欲しいですねぇ。

    この勉強会は特支学校の教員向けのものだったんですが、アタシは次郎をショートステイにほうり込み、参加させてもらったんです。
    知的部門の教員にとって、かなり目から鱗の内容だったと思います。高等部では「体力作りに走らせる」ことしか考えてなかったと思うので。
  • すばらしい!すばらしい!!すばらしい!!!
    (スタンディングオベーション)
    うち、なんとか頼み込んでOT(作業療法)のワクをゲットしたんだよ……
    療育では、揺れ遊具なんかもホイホイこなしていたから「運動神経がいいんじゃないか」って言われてたのね(療育にはOTがいなかった)。
    ところが、私はど~~~~も、違和感があって……コイツは脳ミソ発達の凸凹だけではなく、体の発達にも極端な凸凹があるんじゃないかと…
    で、無理矢理ねじこんでもらったOTで、ま~~~、そりゃ問題が出るわ出るわ出るわ出るわ……(訓練を見てると激しくよく分かる・笑)
    私が推測して「私が感じている違和感、これが理由じゃないでしょうか」とガーッとまとめてあったのを見て、OTの先生から「おかーさん、ドンピシャです!」とホメてもらったんすよ…
    ただいま、その対応について、お勉強中でございます。…残念だけど、年齢が年齢(9歳開始)だったんで、劇的な好転は望めないらしい(苦笑)。

    あ、それと私、「感覚統合」についての研修会に出たことがあるんですけどね、自転車の例と多動児の例、全く同じ説明されましたッ!
    本宅ブログの宣伝みたいになっちゃいますが、この「感覚統合」については、個人的に記事にまとめてあります~
    http://blogs.yahoo.co.jp/hbkmx823/55222884.html
    (その5まであります、記事の右上で次の記事へ飛べます)
    発達障害児さんの場合、「身体感覚」の把握にもヒジョーに難アリらしいので、歩き方や姿勢保持については、「歩けるからいい」とか「じっとできるからいい」なんて安易に考えてちゃダメだと思います。
  • ベビータウン
  • プレママタウン
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